日本臨床免疫学会会誌
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著明な神経症状を呈した原発性アミロイドーシスの剖検例
小林 茂人熊谷 安夫足立 山夫青木 幹雄鈴木 不二彦松本 道男篠田 友孝鬼頭 昭三橋本 博史廣瀬 俊一
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1989 年 12 巻 2 号 p. 245-251

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抄録
症例, 65歳,男性.主訴,浮腫,めまい,倦怠感末梢神経および自律神経障害,ネフローゼ症候群,心肥大,肝腫大を認め,胃生検,神経生検より原発性アミロイドーシスと診断した.血清免疫グロブリンは低値であったが, PHAおよびCon Aにたいするリンパ球の反応性は低下し,表面マーカーの検索にて, OKT 8の減少, OKT 4の増加, OKT 4/OKT 8比の増加(3.56)を認めた. DMSOの投与を行ったが,心停止のために死亡した.剖検上,肝,心,腎など全身にアミロイドの沈着があり,その生化学的分析の結果,分子量10Kdを主体とするAL (λ)型のアミロイド蛋白を同定した.
家族性アミロイドーシスでは神経障害は高頻度かつ重篤である.本例は原発性であるにもかかわらず多彩な神経症状を示し,興味ある症例と考えられたので報告した.
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