日本臨床免疫学会会誌
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抗C1q抗体法および抗C3d抗体法のELISAキットを用いた血中免疫複合体測定の臨床的検討
渡辺 一雄渡辺 浩木田 さとみ船橋 裕司大久保 義光佐藤 由紀夫宮田 昌之海瀬 俊治西間木 友衛森藤 隆夫粕川 禮司
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1989 年 12 巻 4 号 p. 369-378

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抄録
抗C1qおよび抗C3dモノクローナル抗体を固相化したマイクロプレートELISA法による免疫複合体(IC)測定キットを用い,各種自己免疫疾患患者血中のICを測定した.
抗C1q抗体法キットによるICの陽性率と平均値は,活動期全身性エリテマトーデス(SLE)で94%と145.8μg/ml,非活動期SLEで50%と52.5μg/ml,慢性関節リウマチ(RA)で56.8%と58.5μg/mlであった.同様に,抗C3d抗体法キットでは,活動期SLEで67%と20.0μg/ml,非活動期SLEで14%と2.7μg/ml, RAで21.6%と6.1μg/mlであった.
SLEにおいては,両キットともIC値は抗DNA抗体価と正の,溶血補体価と負の有意の相関を示した.一方, RAにおいては,抗C3d抗体法キットでは, IC値と赤沈値およびCRP定量値の間に有意の相関がみられたが,抗C1q抗体法キットではいずれとも相関せず,また両キットとも, IC値とリウマトイド因子定量値の間に,相関は認められなかった.
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