日本臨床免疫学会会誌
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B cell stimulatory factor-2刺激によるThyroglobulin抗体産生からみた橋本病末梢血B細胞機能の検討
川越 光博川上 誠広瀬 恒木谷 敦田畑 博嗣広瀬 立夫法岡 健一鈴木 王洋針谷 正祥原 まさ子中村 治雄
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1989 年 12 巻 4 号 p. 379-385

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抄録
橋本病患者のB細胞機能を検討するために, B cell stimulatory factor-2 (BSF-2)刺激によるB細胞のThyroglobulin (Tg)抗体産生を観察した.
橋本病患者の末梢血よりB細胞を分離し, 0~40U/mlのBSF-2とともに3~12日間マイクロカルチャープレート.で培養した.培養上清中のTg抗体とイムノグロブリン産生はBiotin-Avidin ELISAおよびELISAで測定した.
BSF-2刺激の至適濃度は, Tg抗体産生がBSF-2 10と20U/mlでほぼ同様であり, 10U/mlが最適であった. Tg抗体産生の動態では, BSF-2刺激により, 9日目において無刺激に比べ有意なTg抗体産生の増加を示した.一方, IgG産生はBSF-2刺激により有意の増加を示さなかった.
活性化されたB細胞のみが反応するBSF-2刺激に反応し, Tg抗体産生が増加したことより,橋本病患者末梢血B細胞はTg抗体産生に関してin vivoですでに活性化されていると考えられた.また,橋本病のTg抗体産生におけるBSF-2の関与が示唆された.
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