日本臨床免疫学会会誌
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慢性関節リウマチに続発性アミロイドーシスとmyelodysplastic syndromeを合併した1症例
右田 清志江口 勝美川上 純中尾 英人下村 周子植木 幸孝松永 真由美手塚 博長瀧 重信笹川 一平貞森 直樹清水 昭一
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1989 年 12 巻 4 号 p. 415-421

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抄録
慢性関節リウマチ(RA)に続発性アミロイドーシスとmyelodysplastic syndrome (MDS)を合併した1症例を報告する.
症例は65歳女性.昭和49年(50歳時), RA発症.昭和62年6月,蛋白尿,浮腫が出現し,精査のため当科へ入院した.消化管にAA蛋白の沈着を認め,続発性アミロイドーシスの合併と診断された.以後,貧血が増強し,昭和63年5月より白血球減少症が,また同年6月より血小板減少症が出現し,骨髄穿刺検査の結果より, MDSと診断された.
本症例での骨髄細胞のcellular DNAにおいて, N-ras 13 codonのpoint mutationがみられた.このpoint mutationによるoncogeneの活性化が本症例のMDSの病因に深く関係していることが示唆された.
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