1989 年 12 巻 6 号 p. 608-614
OK-432とNocardia rubra cell wall skeleton (NCWS)がラット腹腔内より分離したpolymorphonuclear leukocyte (PMN)のスーパーオキシド産生能に及ぼす効果を,ウミホタルルシフェリン誘導体を用いた化学発光法により検討した.
OK-432およびNCWSの8日間連続皮下投与によりPMNのスーパーオキシド産生能は増強し,とくに両者の併用群ではopsonized zymosan刺激時の産生能は著明に増強した.試薬とPMNの直接的incubationや, 3日間の連続皮下投与では, PMNのスーパーオキシド産生能増強効果はみられなかった.またわれわれの用いた条件下では, OK-432やNCWSはPMNの直接的なスーパーオキシド産生刺激剤としては作用しなかった.
OK-432やNCWSの作用の1つにPMNのスーパーオキシド産生能増強効果が存在し,この効果はOK-432やNCWSを連続皮下投与することにより発現するPMNに対する間接的な効果であることが示唆された.