今回著者らは大動脈炎症候群にSjögren症候群と肺線維症を合併し,粟粒結核による急性呼吸不全のため死亡した症例を経験した.症例は52歳,女性で15歳時に肺結核の既往がある. 44歳時心肥大,血沈の亢進,リウマトイド因子陽性を指摘され,このときより両耳下腺の腫脹が出現した.昭和60年3月他院にて精査の結果,大動脈炎症候群, Sjögren症候群,肺線維症などと診断され,通院治療を受けていた.同年7月粟粒結核に起因する急性呼吸不全により死亡した.大動脈症候群では,慢性関節リウマチをはじめ各種膠原病が既往歴または合併症として存在することが知られているが, Sjögren症候群の合併はまれであるため報告した.