日本臨床免疫学会会誌
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重症全身性エリテマトーデスに対するステロイドパルス療法の検討
飯島 眞悟岸上 義房西成田 進澤田 滋正堀江 孝至
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1990 年 13 巻 1 号 p. 9-17

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抄録

重症SLE患者15症例にステロイドパルス療法を施行し, 10例に臨床効果を認めた.
15症例を病型別に分類し,効果判定を行うと, CNSループスで神経症状主体のもの9症例中6例,ループス腎炎は3症例中2例に,血管炎の1例,その他の1例に臨床効果が得られたが, CNSループスのうち精神症状を呈するものは3例とも改善がみられなかった.
パルス療法前の末梢白血球数平均値は4,200/mm3,終了後4週以内に7,050/mm3で有意(p<0.005)に増加し,異常低値が認められた症例は,全例で改善が認められたが,抗核抗体価の改善率は13症例中2例,血清補体価の改善率も13症例中2例でともに低く,臨床効果とは相関がみられなかった.
パルス療法後16週間にわたる観察では,抗核抗体価,血清補体価の改善率は増加した。副作用は, 15症例中3例に感染症の合併がみられ,そのうち1例は糖尿病,高血圧の合併もみられた.

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