日本臨床免疫学会会誌
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Antistreptolysin O (ASO)およびantistreptokinase (ASK)高値を呈した成人発症Still病の1例
長岡 章平千場 純
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1990 年 13 巻 2 号 p. 170-175

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抄録

AOSDの病因は,現在のところ不明である.今回, AOSDの経過中に, ASOおよびASKの高値を認め, AOSDの病態との関連性が臨床的に示唆されたので報告する.症例は38歳,女性.弛張熱,関節炎,筋肉痛,赤桃色の紅斑,白血球増多,血沈充進, CRP強陽性,高ガンマグロブリン血症,正球性正色素性貧血,肝機能障害,抗核抗体陰性,リウマチ因子陰性などよりAOSDと診断した.入院時, ASO 1,280 Todd unit, ASK 20,480倍であった.上記AOSDの諸症状はステロイド治療により,すみやかに改善した. ASOおよびASK値は,これより遅れて8ヵ月経過して正常に復した.溶連菌感染の直接的証明は得られなかったが, AOSDの経過中に, ASOおよびASK値の上昇を認めた症例はまれであると考え報告した.

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