日本臨床免疫学会会誌
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血清IgGサブクラス濃度の各年齢層における基準値-免疫拡散法による検討-
井関 幹郎小泉 友喜彦小佐野 満
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キーワード: IgGサブクラス
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1990 年 13 巻 4 号 p. 328-336

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抄録

日本人健常者の各年齢層における血清IgGサブクラス濃度を測定し,その基準値を検討した. 394例(新生児~成人,男性228,女性166)を対象とし,測定には免疫拡散法を用い測定限界以下の例には酵素免疫測定法を併用した.各年齢層における血清IgGサブクラス濃度の平均およびその±2SDの範囲は,臍帯血, n=30, IgG1 853 (543~1,340)mg/dl, G2 438 (210~648)mg/dl, G3 20 (2~217)mg/dl, G4 24 (2~304)mg/dl, 1歳, n=33, IgG1 733 (311~1,726)mg/dl, G2 161 (~343)mg/dl, G3 27 (3~204)mg/dl, G4 4 (0.4~50)mg/dl, 6~8歳, n=30, IgG1 841 (473~1,496)mg/dl, G2 344 (68~620)mg/dl, G3 26 (4~151)mg/dl, G4 17 (3~109)mg/dl,成人, n=90, IgG1 791 (402~1,556)mg/dl, G2 621 (281~961)mg/dl, G3 28 (3~258)mg/dl, G4 34 (7~161)mg/dlであった.健常者中にIgGサブクラス欠乏症の暫定的診断基準値を下まわる例が存在した. IgGサブクラス欠乏症の診断には慎重な姿勢が必要と思われる.

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