膠原病患者(全身性エリテマトーデス(SLE),慢性関節リウマチ(RA),強皮症(PSS),皮膚筋炎/多発筋炎(DM/PM),混合性結合織病(MCTD)の血漿フィブロネクチン(FN)と, RAおよび変形性関節症(OA)の関節液FNをradioimmunoassay(RIA)法で測定した. SLE患者の血漿FN値は正常者よりも有意に高値を示し(603±104μg/m
l vs 339±28μg/m
l, p<0.01),また活動性SLEでは非活動性SLEと比較して有意に高値を示した(764±135μg/m
l vs 377±82μg/m
l, p<0.01). RA患者の血漿FN値は469±42μg/m
lであり,正常者よりも有意に高値を示したが(p<0.01),臨床的活動性との間に明らかな相関は認められなかった.RA患者の関節液FN値は1,148±224μg/m
lであり, RA患者の血漿FN値,またOA患者の関節液FN値(548±60μg/m
l)よりも高値を示した(p<0.01およびp<0.05). RA患者における血漿FN値と関節液FN値との間には有意な相関が認められた(p<0.01). PSS,およびMCTD患者の血漿FN値はそれぞれ483±92μg/m
l, 1,240±480μg/m
lであり,正常よりも高値を示したが, DM/PM患者ではほぼ正常であった(293±72μg/m
l).
以上のことから,血漿および関節液FNの測定は,膠原病の病態の解明に役立つことが示唆された.
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