日本臨床免疫学会会誌
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Fulminating sensorimotor neuropathyを呈し,両側下腿切断を余儀なくされた悪性関節リウマチの1例
佐藤 健比呂小澤 哲夫本間 智子菊池 正俊中野 正明高橋 知香子中園 清村澤 章荒川 正昭
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1990 年 13 巻 6 号 p. 639-646

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抄録
Fulminating sensorimotor neuropathyを呈し,両側下腿切断を余儀なくされた悪性関節リウマチ(MRA)の1例を報告する.症例は, 53歳の女性.昭和44年にRAが発症し,某院に長期間入院.副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)で治療されていたが, 63年2月1日,突然上肢の運動・知覚障害がみられたため, 2月3日,瀬波病院リウマチセンターに転院した.前腕と下肢の著しい運動・知覚神経障害とレイノー現象を認め,検査成績で,白血球・血小板増多,リウマトイド因子の高値,高度の炎症所見がみられたため, MRAと診断した,また,神経伝導速度は測定不能であった.数日のうちに手指壊疽と下肢の潰瘍が進行したため,免疫抑制薬,ステロイド,血漿交換などで治療したが,両側の下腿切断を余儀なくされた.なお,組織学的に血管炎が認められた.本例は,内臓病変が軽度で, Bywaters型のMRAと診断したが,急速な神経障害の出現と皮膚潰瘍の悪化がみられ,稀な1例と考え報告した.
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