日本臨床免疫学会会誌
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Prednisolone投与により低体温をきたしたWeber-Christian病の1例
大嶋 勇成平尾 敬男
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1990 年 13 巻 6 号 p. 647-653

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抄録
Prednisoloneを使用し著明な解熱効果のみならず,さらに低体温をきたしWeber-Christian病の1例を報告する.症例は12歳の女性で弛張熱と有痛性の皮下結節のため当院に入院となった.抗生物質, aspirinによる治療に反応せず,皮膚生検で血管炎を伴った急性の脂肪織炎がみられた.臨床症状,組織像からWeber-Christian病と診断した.治療はprednisolone 40mg/dayで開始した. prednisolone投与開始15時間後から著明な解熱効果がみられ,体温は34.1°Cにまで下降した.体温は40時間, 34.2~36.0°Cの間を変動し,その後3日間ほどで徐々に回復した.他の臨床症状,検査結果はprednisolone治療で改善した.本症例は体温調節に対する副腎皮質ホルモンの効果を考えるうえで興味ある症例と思われる.
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