日本臨床免疫学会会誌
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原発性胆汁性肝硬変における抗セントロメア抗体のIgGサブクラス
茂木 積雄吉田 浩西間木 友衛森藤 隆夫大浪 更三
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1991 年 14 巻 1 号 p. 94-97

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抄録
抗セントロメア抗体(anti-centromere antibody; ACA)が検出された原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis; PBC) 13例を対象とし, ACAの免疫グロブリンクラス別およびIgGサブクラス別測定の意義について検討した. ACAの免疫グロブリンクラスは, IgG型13/13 (100%),次いでIgA型1/13 (8%)の順であり, IgM型は1例も検出されなかった. ACAのIgGサブクラスは, IgG1 13/13 (100%),次いでlgG3 12/13 (92%)の順に多く検出された. IgG2型およびlgG4型ACAは, 7/13 (54%)および6/13 (46%)と陽性率は低く,陽性例の抗体力価は80~2,560倍と広範な分布を示した.また, ACAと共存する抗ミトコンドリア抗体(anti-mitochondrial antibody; AMA)は, IgGサブクラス間の陽性率に差はなかった. ACAのIgGサブクラスとPBCの病像との明らかな関連は見いだしえなかった.
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