日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
糖尿病患者における補体フラグメント: C4d, iC3b, Bbの変動
有本 保文坪井 一彦西尾 晃飯田 優
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 14 巻 3 号 p. 252-257

詳細
抄録
糖尿病における補体変動の意義を知るために糖尿病患者72名(細小血管症を合併しない糖尿病[F群] 35名,糖尿病性網膜症[R群] 14名,糖尿病性腎症[N群] 12名,糖尿病性腎症透析患者[DHD群] 11名),健常者[H群] 25名の補体フラグメントC4d, iC3b, Bbを測定した.その結果,次のごとき結果が得られた. F群およびR群ではC4d, iC3b, Bb共にH群に比し有意に高値を示し, classical pathway, altemative pathway両経路の活性亢進が示唆されたが,両群間に有意差はみられなかった. N群では, F, R群に比しC4d, iC3bの有意な高値がみられclassical pathwayを介した補体活性の亢進が腎症の成り立ちになんらかの関与をしている可能性が示唆された. DHD群でも,両経路の活性亢進が示唆されたが, C4d, iC3bはN群に比し低かった.
著者関連情報
© 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top