日本臨床免疫学会会誌
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インターフェロン(IFN-γ)による単球表面のIL 2リセプター(α鎖, CD 25)の誘導;成人と白血病児での検討
杉田 憲一鹿嶋 広久江口 光興古川 利温
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1991 年 14 巻 4 号 p. 403-409

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抄録
白血病児の末梢血単球でのIL 2リセプター(IL 2 R)発現へのIFN-γの効果を検討し,健康成人よりの単球と比較した.さらに, methotrexate (MTX), 6-merucaptopurine (6-MP)の影響を検討した.
1) 健康人の単球にIFN-γを1,000U/mlより1U/mlの範囲で添加した. 24時間後,単球表面のIL 2 Rの陽性率はIFN-γの添加により増強した.
2) 白血病患児よりの単球を培養液のみで24時間処置するとIL 2 Rは20.1±14.4%の陽性を示した.健康人の9.3±4.9%に比較して高値であった.しかし,新鮮単球上のIL 2 Rは差がなかった. IL 2 Rの発現に対してのIFN-γの増強効果は健康人の場合に比較し患児では小さかった.
3) 健康人単球表面のIL 2 R発現に対するIFN-γの増強効果は1×10-6mol/L, 1×10-8mol/Lの6-MPの存在下で抑制された.
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