日本臨床免疫学会会誌
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低用量methotrexate間歇投与療法にて,汎血球減少をきたした血清陰性慢性関節リウマチの1例
南木 敏宏小池 竜司丸山 俊昭松岡 浩立石 睦人奥田 正治宮坂 信之
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1992 年 15 巻 4 号 p. 378-384

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抄録

低用量methotrexate (MTX)間歌投与療法にて汎血球減少をきたした慢性関節リウマチ(RA)の1例を経験したので報告する.症例は39歳女性. 1983年発熱,咽頭痛が出現.翌年より発熱に伴い,手のこわばり,多関節痛がみられ,成人発症Still病を疑われ, prednisolone (PSL)の投与を受けていた. 1990年10月当科入院.朝のこわばり,増殖性滑膜炎を認め, RAと診断した.同時に二次性アミロイドーシスによる腎機能障害の合併も認められた. PSLの減量が困難なためMTX 5mg/週,筋注を開始.一旦は症状の改善を認めるも, MTXの増量に伴い6週目頃より重篤な汎血球減少が進行. MTX中止, leucovorin, G-CSF投与にて軽快した.
本例において汎血球減少をきたした機序としては,二次性アミロイドーシスによる腎障害,低アルブミン血症に加えて, MTXに対するリンパ球刺激試験が陽性であり感作リンパ球を介する免疫学的機序の関与も疑われた.

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