日本臨床免疫学会会誌
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CD4/CD8比の持続的低下を認めたchronic fatigue syndromeの1例
武田 誠司田原 久史戸原 震一小貫 圭介向野 賢治荒川 規矩男
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1993 年 16 巻 1 号 p. 64-68

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抄録

長期にわたって持続する原因不明の疲労感,微熱などに苦しむ23歳の男子大学院生が精査加療目的で当科入院となった.
6ヵ月以上続く全身倦怠感,微熱,咽頭痛,筋力の低下,筋痛,頭痛,思考力・集中力の低下などが認められ, Holmesらの診断基準1)に従い, chronic fatigue syndrome (CFS)と診断した.細胞性免疫検査でCD4/CD8比が持続的に低下していたことが特徴的であり,本症候群には何らかの免疫不全状態が基盤にあるものと考えられた.また,リムルステストが陽性であったが,炎症所見はみられず細菌感染に伴うエンドトキシン血症は否定的であり,約9ヵ月の間隔をおいて再検しても陽性で,病態との関連について注目された.

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