日本臨床免疫学会会誌
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リンパ節生検にて診断を確定した壊死性リンパ節炎を伴う全身性エリテマトーデスの1例
黒澤 一代福井 光文相沢 信柏崎 禎夫外山 圭助
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1993 年 16 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

当初,慢性関節リウマチ(RA)と診断され,リンパ節生検所見から全身性エリテマトーデス(SLE)と診断し得た1例を経験したので報告する.症例は43歳女性.多関節痛にて発症し近医にてRAと診断され,非ステロイド系抗炎症剤,サラゾスルファピリジン,チオプロニンを順次投与されたが軽快しなかった.発熱,頸部リンパ節腫脹,頸部筋力低下が出現し,当院入院した.筋力低下,筋原性酵素の上昇,抗n-RNP抗体陽性より,混合性結合組織病(MCTD)あるいはSLEと多発性筋炎の重複症候群の可能性も考えられたが,抗核抗体陽性,抗DNA抗体高値, LE細胞現象陽性に加え,リンパ節生検にて壊死性リンパ節炎様所見およびヘマトキシリン体が証明されSLEと診断した.本症例のようにRAあるいはMCTDなどとの鑑別診断の困難な例に対しては,リンパ節生検は診断上有用な手段と考えられた.

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