日本臨床免疫学会会誌
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本邦におけるCREST症候群およびPBC/CREST症候群のHLAに関する検討
大浪 更三茂木 積雄吉田 浩粕川 禮司
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1993 年 16 巻 3 号 p. 208-215

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抄録

CREST症候群3例とPBCとCREST不全型合併2例の経験から,本邦報告CREST症候群85例を集計し,それらの免疫・遺伝学的検討を行った.
CREST症候群での合併症をみると, PBCが最も多く29/85例(34.1%)で,他に,シェーグレン症候群18/85例(21.1%),肺線維症7/85例(8.2%),他の肝疾患7/84例(8.2%),慢性甲状腺炎5/84例(5.8%)や肺高血圧3/84 (3.5%)などがみられた. CREST症候群に合併するPBCの病型は症候性8/29例(27.6%)に比し,無症候性が21/29例(72.4%)と多い.
免疫学的検討から, CREST症候群単独ではACAが22/27 (81.4%), PBCとCREST症候群の合併ではAMA 28/29 (96.5%), ACA 21/22 (95.4%)と両抗体陽性が特徴的にみられた.
遺伝学的検討ではCREST症候群にHLA-B 7/DR 1, PBCとCREST症候群の合併にDR 9あるいはDR 3が高頻度にみられ,推計学的な有意差が認められたことから,異なった遺伝的要因が推察された.

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