日本臨床免疫学会会誌
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サイトメガロウイルス感染乳児の末梢血単核球におけるCD 8, HLA-DR, CD 45 ROの発現
杉田 憲一車田 宏之藤田 滋子黒沢 秀光江口 光興古川 利温
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1994 年 17 巻 3 号 p. 182-187

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抄録
血清中の抗サイトメガロウイルス(CMV)-IgM,抗CMV-IgG抗体陽性の所見と臨床症状より診断したCMV感染乳児の末梢血単核球のCD8, HLA-DR, IL 2 Rβ, CD 45 RO, CD 45 RA, CD 7の発現をflow cytometry法にて検討した.
CD8+細胞比率の増加, CD 4+細胞比率の減少により, CD 4+細胞/CD 8+細胞比は0.80±0.37 (対照: 2,74±1.80)と低下した. CD 8+細胞数は4,762±1,162/μl (対照: 1,414±127/μl)と増加していたが, CD 4+細胞数は3,250±289/μl (対照: 3,519±322/μl)と増減は認めなかった. CD 8+細胞に対するHLA-DR+CD 8+細胞比率は0.65±0.15 (対照: 0.18±0.09), IL 2 Rβ+ CD 8+細胞比率は0.33±0.10 (対照: 0.11±0.10), CD 45 RO+ CD 8+細胞比率は0.40±0.12 (対照: 0.18±0.02)と高値であった. EBウイルスによる伝染性単核症児と比較し, CMV感染乳児ではCD 45 RO+細胞比率の増加が軽度で, CD7の発現は対照との間に差がみられなかった.
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