2017 年 59 巻 1 号 p. 56-61
症例は65歳女性.2014年12月に肝浸潤,十二指腸浸潤,頸椎転移を伴う胆嚢癌と診断し緩和治療を行っていた.2015年3月に嘔気,嘔吐を主訴に当院を受診し,進行胆嚢癌による十二指腸閉塞,胆嚢十二指腸瘻形成を認めた.内視鏡的十二指腸ステント留置術を施行するも,ガイドワイヤーが瘻孔に迷入し狭窄部を突破出来ず.最終的に結石除去用の側孔付バルーンカテーテルを使用しステント留置に成功した.ステント留置翌日より経口摂取が可能となり,術後大きな問題なく約1カ月半後に肺炎で死亡された.胆嚢十二指腸瘻形成によりガイドワイヤー留置が困難な場合,側孔付バルーンカテーテルの使用により瘻孔の遮断が可能となり有用な方法と考え報告する.