抄録
20~80歳代の日本の健康成人について,モノクローナル抗体によるELISA法を用いてIgGサブクラスの正常値を調べた. 20歳以降のIgGサブクラス濃度において, IgG 1は加齢とともに直線的な漸増傾向がみられたが, IgG 2, IgG 3およびIgG 4は有意な変動はみられなかった.また, IgGサブクラス構成比率においては, IgG 3だけがわずかながら加齢に伴う増加傾向を示した.
さらに,日本の健康成人と米国の健康成人におけるIgGサブクラス構成比率の違いについて考察した.その結果,日本の健康成人のIgGサブクラス平均構成比率は,米国健康成人に比較してIgG 1が約8%, IgG 3が約2%低い比率を示す反面, IgG 2が約10%高い比率を示した. IgG 4については有意な差はみられなかった.