1995 年 18 巻 2 号 p. 160-167
Epstein-Barr virus (EBV)樹立B細胞株の活性酸素の産生をhorseradish peroxidase (HRP)を添加することで増強させた化学発光(chemiluminesence, CL)を用いて測定した.この測定系を用いて慢性肉芽腫症(chronic granulomatous disease, CGD)患者群(13例)のEBV樹立B細胞株のCLを正常群(8例)と比較検討した.正常群ではHRP添加によりCLが増強したが, CGD患者群ではHRP添加においても有意のCLを認めなかった.
ヒト組み換えインターフエロンγ(recombinant human interferon-γ, rhIFN-γ)とgranulocyte-colonystimulating factor (G-CSF)について, in vitroにおけるB細胞株の活性酸素産生への影響を検討した.正常群でrhIFN-γ添加時にCLが有意に上昇したが(p<0.01), G-CSF添加時には上昇は認められなかった. CGD患者群では伴性劣性型varianttypeを含め全例で, rhIFN-γ, G-CSF添加時に有意のCLの上昇は認められなかった.
本測定系におけるEBV樹立B細胞株のCLは, NADPH oxidase機構に依存していることが示唆された.