日本臨床免疫学会会誌
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成人呼吸促迫症候群および播種性血管内凝固症候群を合併した成人発症スティル病の1例
横山 雅子諏訪 昭篠沢 妙子藤井 隆夫三森 経世秋月 正史市川 陽一東條 毅
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キーワード: 成人発症スティル病
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1995 年 18 巻 2 号 p. 207-214

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抄録

71歳男性患者が,発熱・咽頭痛・筋肉痛・皮疹で入院,成人発症スティル病と診断した.非ステロイド性消炎鎮痛剤とプレドニゾロン(PSL) 40mg/日の内服で改善した. PSL減量中に,低酸素血症・胸部X線上両側びまん性浸潤影がみられ,成人呼吸促迫症候群(ARDS)と診断した.酸素投与とPSL 50mg/日への増量により軽快したが,数日後に発熱・皮疹,血清フェリチンの著増がみられ,スティル病の再燃が疑われた.さらに血小板数著減, FDP増加より播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断, PSLの60mg/日への増量,蛋白分解酵素阻害剤投与で寛解した.これまで,成人発症スティル病とARDSの合併が1例, DICの合併が8例報告されているが,両者の合併の報告はない.成人発症スティル病の病態を考える上で示唆に富む症例と考えられた.

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