日本臨床免疫学会会誌
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当科で経験したリウマトイド因子陽性血管炎4例におけるリウマトイド因子と疾患活動性について
浄土 智渥美 達也竹田 剛小椋 庸隆天崎 吉晴市川 健司堤 明人向井 正也大西 勝憲藤咲 淳小林 清一小池 隆夫
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1995 年 18 巻 3 号 p. 272-281

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抄録
リウマトイド因子は,主として慢性関節リウマチに認められる自己抗体で,慢性関節リウマチでは,血中のリウマトイド因子値が疾患活動性や関節外症状と相関するといわれている.今回われわれはリウマトイド因子が陽性の結節性多発動脈炎3例と,組織学的に典型的な壊死性動脈炎の所見は得られなかったが,臨床的に結節性多発動脈炎に類似した血管炎と診断した1例を経験し,この4例においてLaser nephelometryにより血中リウマトイド因子を経時的に測定した.その結果,リウマトイド因子値は疾患の増悪時には上昇するが,治療により低下し,寛解時には正常化した.このことより,血中リウマトイド因子値は,リウマトイド因子陽性血管炎においては活動性および治療効果の判定,さらに他の炎症性疾患との鑑別診断にきわめて有効な指標となりうると考えられた.
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