日本臨床免疫学会会誌
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気管支喘息の寛解時に発症したChurg-Strauss症候群の2例
二宮 一郎真弓 武仁石丸 敏之岡村 秀樹浴村 正治岡田 楷夫内田 寛谷村 晃木下 忠嗣
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2001 年 24 巻 1 号 p. 57-63

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抄録

気管支喘息の寛解時に発症したChurg-Strauss症候群(CSS)の2例を経験した.(症例1)64歳,女性.平成9年6月より気管支喘息が出現し,治療により平成10年2月上旬喘息は寛解していた. 2月下旬より四肢のしびれ,痛み,紅斑が出現し,脱力も高度となり, 3月3日当院へ転院した.好酸球の増加と皮膚生検での好酸球浸潤および血管炎よりCSSと診断.プレドニゾロン(PSL)60mg/日で症状は改善するもしびれ,両腓骨神経麻痺,左握力低下が残った.(症例2)62歳,女性.平成7年より気管支喘息が出現し軽快していた.平成10年3月から下肢のしびれ,痛みが出現し,増悪したため5月入院.好酸球増加や皮膚生検の好酸球浸潤などよりCSSと診断. PSL 60mg/日で疼痛は改善したがしびれが残った.気管支喘息寛解時にCSSが発症することはその診断に関して重要と思われた.

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