日本臨床免疫学会会誌
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血小板減少症とIgA腎症を合併した原発性シェーグレン症候群の1例
渡邉 眞言藤本 隆岩野 正之椎木 英夫中村 忍
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2002 年 25 巻 2 号 p. 191-198

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抄録
症例は, 61歳の女性であり,家族歴では娘(長女)にグレーブス病,娘(三女)に橋本病と全身性エリテマトーデスがある. 1988年に顕微鏡的血尿のために腎生検が施行され, IgA腎症と診断された.また,同時期に血小板減少も指摘されていた. 1992年8月末から眼球および口腔内乾燥感を自覚しており,シルマー試験とローズベンガル試験の陽性,および唾液腺造影所見でdestructive patternから原発性シェーグレン症候群(SS)と診断された. 1995年頃から四肢に紫斑が出現した.血小板減少の原因は, PAIgGの高値から特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の合併も診断された.
しかし,血小板数が5万以上であり,出血症状も軽度であることから,副腎皮質ステロイドは投与されていない.以上,本例は, ITPとIgA腎症を合併した興味深い原発性SS例と思われた.
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