日本臨床免疫学会会誌
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シェーグレン症候群における抗SS-A/B抗体の二重免疫拡散法,ウェスタンブロット法の比較検討
許 志泉竹内 健松平 蘭金井 美紀戸叶 嘉明高崎 芳成橋本 博史
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2003 年 26 巻 2 号 p. 74-79

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抄録
目的と方法:原発性シェーグレン症候群(primary Sjögren's syndrome: PSS)49例,二次性SS(secondary SS: SSS)28例で,二重免疫拡散法(double immunodiffusion: DID)とウェスタンブロット法(western blotting: WB)を用いて抗SS-A/B抗体の反応性を検討した.
結果: DID法では,抗SS-A抗体の陽性率はPSS 69%, SSS 86%で,抗SS-B抗体の陽性率はPSS 22%, SSS 39%であり, PSSとSSSの間でいずれも有意差はなかった. WB法では,抗52 kD-SS-A抗体単独陽性の比率はPSS 18%で, SSSには1例もなく, PSSで有意に高率であった.抗60 kD-SS-A抗体の陽性率はPSS 37%, SSS 71%で, SSSの中ではSLEに伴うSSSが75%, RAに伴うSSSが63%で, PSSに比し, SSS特に, SLEに伴うSSSで有意に高率であった.
結論: PSSとSSSにおいて, DID法におけるSS-A/B抗原に対する反応性は差はなかったが, WB法における各分子に対する反応性は異なることが証明された.
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