日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
T cell malignancyにおける腫瘍細胞の機能に関する研究
新津 洋司郎小野寺 義光石井 徹渡辺 直樹高後 裕笹川 裕坂牧 純夫漆崎 一朗
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 5 巻 6 号 p. 475-481

詳細
抄録
最近経験した5例のT cell malignancyについて,その腫瘍細胞の機能を調べ,表面マーカー,臨床所見との関連について検討を加えた.第1例(CLL)と第5例(malignant lymphoma)の腫瘍細胞はいずれもMLRを抑制したが, PWM刺激によるIg産生に対しては後者でのみ抑制的に働いた.表面マーカーはいずれの細胞も末梢T cell型で,後者はTr陽性であった.臨床的にはツ反応がいずれも陰性で, MLRを抑制した結果と符合した.血清中Ig量は第1例が正常,第5例が低下しており, in vitroのIg産生能に対する両者の機能と一致した.症例3 (CLL)は, Ig産生に補助的に働き,血清Ig量も高値であったが,表面マーカーの検索ではむしろTr保有の末梢T細胞型であった.他の2例(CLL, malignant lymphoma)はnonfunctioningであった.
著者関連情報
© 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top