日本臨床免疫学会会誌
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マクロファージによる直接的骨吸収
角田 左武郎松本 英彦吉屋 誠木村 義孝南雲 正男
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1983 年 6 巻 3 号 p. 160-166

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抄録
マクロファージの骨吸収能を検討するため,マクロファージのsourceとしてWistar系雄性ラットの腹腔細胞を用いてin vitroの系で骨吸収能を検討した.骨吸収能は45Caで標識したラット頭頂骨片(あらかじめ死滅させてある)に腹腔細胞を吸着させ, 2~4日間培養して培養上清にreleaseされた45Caを測定し評価した.骨吸収能の実験条件は,培養時間が48時間,腹腔細胞数が1×106 cellsが至適であった.したがってこの条件で検討したところ, paraffinあるいはglycogenで誘導した滲出細胞の骨吸収能が腹腔常在細胞のそれより高いこと,およびシャーレ吸着細胞に骨吸収能のあることが認められた.さらに,滲出細胞と常在細胞の骨吸収能の相違の理由を知るため,ライソゾーム酵素活性および貪食能を比較したところ,滲出細胞の方がいずれも高かった.
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