RFの測定はRAの臨床検査として広く用いられている.しかし,方法論的には感作赤血球凝集反応およびラテックス凝集反応(LFT)はC〓, γ-globulinなどの非特異的因子の影響を受けやすく,特異性に問題があった.そこで我々はLaser Nephelometer法(LN)を用い,ヒト熱変性IgGを抗原としてRF活性の測定を試み,さらに, RF活性の2ME処理による変動を検討した.
LN法とLFT法によるRF測定値を新鮮血清で比較すると陽性率には差はないが,長期保存血清および高γ-globulin血清ではLNに比してLFTの陽性率が有意に高く,その原因として非特異的反応の関与を推測された.
RA患者血清および関節液のRF陽性率はLNでは79%, 60%, LFTでは82%, 64%であり,同検体の2ME処理後のRF陽性率はLNでは21%, 24%, LFTでは34%, 33%であった.肝硬変患者のRF陽性の血清では2ME処理後, RFの陽性率はLN 3%, LFT 11%であった.
以上のごとくLNによるRFの測定は従来の方法に比し,特異性が高く,かつ定量性に優れていると考えた.また, 2ME処理することにより, non IgM-RF(〓IgG-RF)の測定が可能であると考えた.
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