抄録
29歳女性の全身性エリテマトーデス例で,おもな臨床症状は, 6年間続いたレイノー現象とその急性増悪した病像の手指端の壊死,および3年の経過をもつ肺高血圧症,それに続いて惹起された慢性肺性心と呼吸不全であり,後者は直接の死亡原因となった.肺高血圧症は剖検による肺血管の病理組織像にてHeathとEdwardsの分類の第4度以上であった.病変の臓器特異性を説明する因子を明らかにする目的で,本症例において得られた諸種検査値と病変の関連性,あるいは諸種の治療に対する反応を観察したが,相関するものは認められず,この解析は今後に残された課題となった.