1981年10月, 55歳の女性が頸部痛にて当院に入院となる. 25歳時,肺結核に罹患する. 1975年5月,手関節・肘関節・膝関節に疼痛と腫脹を訴える. 1976年1月1ヵ月高熱に悩む.
1978年7月,両側頸部血管雑音を指摘され某大学病院に入院となる.下行大動脈と鎖骨下動脈の壁不整を大動脈造影にて指摘される.検査所見で,白血球数4,700/mm3,血沈190mm/hr, hemoglobin 6.9g/dl,血小板数62.9万/mm
3, T. P 7.7g/dl, γ-globulin 39.1%であった.上記所見は,大動脈炎症候群に一致する所見であり,プレドニゾロン30mgにて治療された.
1981年10月,入院時検査で軽度肥満・体温36.6°C・脈拍72/min整・血圧(右上肢154/78mmHg・左上肢164/94,右下肢164/94・左下肢130/62).両側頸部血管雑音聴取,血沈26mm/hr, Hb 10.6g/dl, WBC 6,200/mm, CRP1 (+), RA1 (+), RAHA (-), LE (-), HLA; A1・A24 DrW9,抗DNA抗体(-),手関節X-Pにて骨びらんを認める.頸椎X-Pにて,環軸関節亜脱臼を認める.
以上所見より,慢性関節リウマチと大動脈炎症候群を合併した1症例と診断した.
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