日本臨床免疫学会会誌
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帯状疱疹に5回罹患した全身性エリテマトーデスの1症例
長岡 章平石ケ坪 良明谷 賢治坂本 洋松永 敬一郎加藤 清千場 純
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1983 年 6 巻 4 号 p. 320-324

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抄録
初発症状出現時より比較的早期の4年11ヵ月の期間に, 5回帯状疱疹に罹患したSLE女性の1例を報告する. 1973年(18歳)多関節痛,レイノー現象にて発症. 1974年4月多量脱毛とともに左大腿部に帯状疱疹出現. 1976年1月SLEと診断し,ステロイド剤の投与開始. 1976年4月, 1977年2月, 1978年4月, 1978年11月に帯状疱疹に罹患.帯状疱疹の経過はすべて良好で合併症もなかった. PPD, DNCB皮内テスト, IgG Fcリセプター陽性T細胞などの細胞性免疫検査において異常を認めるも,帯状疱疹非併発時にも存在した. 2回目以後の帯状疱疹罹患時は,それ以前と比べていずれも血清補体価が低下しており,本症例における帯状疱疹発生の要因の1つと考えた.ステロイド剤については,初回罹患時は未使用,以後プレドニゾロン換算にて12.5~30mg/日であった.
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