SLE患者30名における補体の免疫複合体可溶化能(CRA)を測定し, CRAと他の補体系との関連ならびにCRAのSLE病態形成に及ぼす影響を検討した. SLEのCRAは正常人に比して有意の低値を示し,そのCRAは他の補体系(CH 50, ACH 50, C4, C3, factor B)と密接な相関関係が認められた.個々の症例を検討すると, CRAはCH 50よりもより早期に正常域に回復する症例が認められ, SLEの治療,予後判定にCRAは有用な指標になり得ると考えられた.また, CRAと腎症や皮膚紅斑などの血管病変との相関が認められ, CRAと組織障害との相関が示唆された.