日本臨床免疫学会会誌
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Hyper IgE症候群の2例についての免疫学的検討
片桐 雅博岸本 真知子鳥居 新平
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1984 年 7 巻 3 号 p. 136-145

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抄録
Hyper IgE症候群の2例について免疫学的検討を加え,以下の結果を得た.
(1) 細胞性免疫能や多核白血球のNBTテストは正常であった. 1例は臨床分離株黄色ブドウ状球菌の貪食殺菌能も正常であった.
(2) 多核白血球の遊走能は血清総IgE値や抗ブ菌IgE抗体価とは無関係に低下したが,正常のこともあった.
(3) 多核白血球のH2感受性は健康対照者に比べて低く,体内でのヒスタミン暴露によるtachyphylaxisが考えられた.
(4) 抗ブ菌IgE抗体価は高値を示し,ブ菌感染によるブースター効果が考えられた.抗ブ菌凝集素価は正常であった.
以上の結果から,多核白血球の遊走能の低下→黄色ブドウ状球菌感染→抗ブ菌IgE抗体と反応→ヒスタミンなどのchemical mediatorsの放出→H2感受性の低下した多核白血球もlysosomal enzyme放出持続→組織脆弱化→感染の持続という機序が推定された.
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