日本臨床免疫学会会誌
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胎児胸腺・肝細胞移植を行った短四肢小人症を伴う免疫不全症の1例
井関 幹郎番場 正博倉辻 忠俊小佐野 満神吉 耕三宮平 寛松吉 秀治加藤 達夫水原 春郎
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1985 年 8 巻 2 号 p. 117-122

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抄録
短四肢小人症を伴う免疫不全症(Gatti-Lux症候群)の5歳女児に胎児胸腺・肝細胞を腹腔内に移植した.移植2週後より発熱,発疹,腹部膨満の増強,肝機能障害などが現れgraft versus host (GVH)反応と思われた. 4〓ヵ月後に患児リンパ球に新しいHLA抗原の出現を認め,移植細胞が生着したと判断した.しかし免疫学的検査所見および臨床症状は改善しなかった.患児は5ヵ月後に間質性肺炎により死亡した.本例の全経過につき報告する.
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