日本臨床免疫学会会誌
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細胞性免疫のサプレッサーT細胞を誘導する担癌患者血清因子について
福嶋 建三四宮 範明矢田 純一
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1985 年 8 巻 3 号 p. 138-145

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抄録

Pokeweed mitogen (PWM)刺激の持体産生, one way mixed lymphocyte culture (MLR), natural killer (NK)活性, Raji株化培養細胞あるいはEB virus (EBV)で株化した自己リンパ芽球(EBV transformed autologous lymphoblast: EBV-TL)に対するキラーT細胞活性のおのおのを抑制する抑制T細胞を誘導する血清因子が,食道癌患者血清中に存在するか否かについて,患者血清処理TnonG細胞添加の影響により検討を行った.
One way MLR, NK活性の抑制T細胞誘導因子は認めなかったが, EBV-TLに対するキラーT細胞の細胞障害活性の抑制T細胞誘導因子の存在を認め,この因子がsephadex G 100 gel chromatographyによる分子量の検討でMW 43,000~50,000画分に存在することを認めた.また,この因子はPWM刺激抗体産生の抑制T細胞誘導因子と異なると考えられた.

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