抄録
症例, 72歳,女性,腰痛を主訴として来院. Bence Jonesλ蛋白を認めたほか,末梢血で形質細胞を34%認め, Bence Jones型形質細胞性白血病と診断した.さらに腎不全を認め,化学療法に加えて,血漿交換療法を施行した.一時,腎機能は著明に改善したが,再び増悪し,その後の治療に反応せず死亡した.
剖検では腎組織にて,尿細管内に骨髄腫蛋白を認めたほか, PAP染色にて尿細管上皮細胞内にλ型蛋白を認めた.以上より, Bence Jones蛋白と腎不全との関係について考察し,あわせて,血漿交換療法の有用性について述べた.