日本臨床免疫学会会誌
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溶連菌製剤OK-432投与消化管癌患者の細胞性免疫能と予後に関する研究
小橋 主税
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1986 年 9 巻 3 号 p. 206-216

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抄録
抗癌免疫療法患者における細胞性免疫能をみるために,溶連菌製剤OK-432を消化管癌患者54例に投与し,末梢血T細胞, B細胞, NK活性, ADCC活性,血清IFN力価およびリンパ球のIL-2産生能を検査した. (1)全身投与群32例でNK活性と血清IFN値が有意(p<0.05)に上昇した. (2)局所投与群22例で, NK活性とADCC活性が有意(p<0.01)に上昇した.局所投与の2例で腫瘍の消失と生検による癌組織像の陰性化がみられた. (3)非投与群18例で, NK活性とADCC活性およびリンパ球のIL-2産生能が有意(p<0.05)に低下した. (4)本剤投与後の予後良好群では不良群に比し, T細胞比率およびNK活性が高かった.
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