日本臨床免疫学会会誌
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ラット遊離有茎皮下埋没脾臓を用いた内因性抗腫瘍活性誘導の試み
藤井 昌彦今 充山中 祐治森田 隆幸佐々木 睦男小野 慶一
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1986 年 9 巻 3 号 p. 236-239

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抄録
脾臓のもつ潜在的な免疫活性機能を賦活させ門脈血中への抗腫瘍効果を誘導する目的において遊離有茎皮下埋没脾臓ラットを作製し, Biological Response Modifier (BRM)を脾臓内へ連続的に投与した. BRMとしてlipopolysaccharide (LPS: Sigma E. coli 026: B 26), BCGおよびOK 432を用いた.
BRM連続脾内投与群ではControl群に比して門脈血血清中のL 929に対する細胞傷害活性も有意(P<0.05)の上昇がみられ同時にinterferon (IFN)活性も有意に上昇した.さらに門脈血中および脾臓内単核細胞の抗腫瘍活性も有意の活性上昇が認められた.また病理組織学的にもT cell zoneリンパ球および組織球の著明な増生が認められた.以上の所見よりBRMの新しい投与経路としての脾臓内連続投与は種々の免疫機能賦活作用を有しており多面的な抗腫瘍効果を十分期待しうる方法であることが示唆された.
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