日本臨床免疫学会会誌
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血液疾患のimmuno-monitoring
immunophenotypeとimmunogenotypeによる血液疾患の解析
武内 ゆみ子
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1986 年 9 巻 5 号 p. 391-396

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抄録

リンパ系腫瘍では,表面マーカー分析(免疫表現型分析)に加えて,免疫グロブリン(lg), T細胞抗原受容体(TCR)遺伝子の再構成をみることができるようになった(免疫遺伝子型分析).この分析により,リンパ球集団のクローナリティー,細胞系統が判定できるようになったが,表現型ではnonT nonBであったリンパ系腫瘍のうち, Ig, TCRの両方が再構成しているものが少なからず存在することが判ってきた.さらに遺伝子型分析により, Ig各鎖の再構成の順位や,リンパ系腫瘍の染色体異常とIg, TCR遺伝子,発癌遺伝子との関係などの重要な知見も得られつつある.一方,従来よりの表現型分析は,すでに,疾患の診断,予後,治療法の決定に必要不可欠なものとなっているが,近年,表面マーカーの多くがそれ自体,マーカーの特定するサブセットの機能をになう分析であることが判り,別の意味を持ちつつある.リンパ球増多症において分析の例を示す.

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