日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌
Online ISSN : 2433-7854
Print ISSN : 2433-7846
症例
ピーナッツやクルミとの交差反応が疑われたゴマによるアナフィラキシーの1例
原田 晋森山 達哉太田 國隆
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2020 年 3 巻 3 号 p. 456-463

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抄録

 20歳, 男性。2歳時より数回ピーナッツ摂取後にアナフィラキシー症状を発現。20歳時にブロッコリーのゴマ和え摂取後およびクルミ入り餅摂取後にアナフィラキシー症状をきたし, ピーナッツ, ゴマ, クルミの特異的IgEおよびプリックテストがすべて陽性であったため, ピーナッツ, ゴマ, クルミに対するアレルギーを併発していると診断した。ただし, ゴマの特異的IgEが陽性であるものの, ゴマの摂取は可能である患者は少なからず存在するとの報告が認められている。また, ピーナッツとクルミ, ピーナッツとゴマとの間の交差反応性を論じた海外論文が存在しているため, 自験例でも検討を行ったが, ピーナッツ, クルミ, ゴマ間の交差反応性を実証することはできなかった。ゴマの特異的IgE陽性が実際に臨床的意義を反映しているのか, ゴマとピーナッツやクルミとの間には交差反応性が存在しうるのか, に関しては今後の重要な検討課題であると思われる。

(日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 456-463, 2020)

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© 2020 一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
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