日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌
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最新号
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総説
  • 山本 俊幸
    原稿種別: 総説
    2020 年3 巻3 号 p. 381-390
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     膠原病は, 遺伝的素因に後天的なトリガー (紫外線, 寒冷刺激, 仕事で扱う有機溶媒などの環境要因や感染症等) が加わって発症する。女性が多いので, ホルモンの影響も大きいと考えられている。それに対し, 小児発症例は遺伝的な影響がより強いものと思われる。

     本稿では, 実際の皮膚科診療で診る機会の比較的少ない, 小児の膠原病を取り上げ, その皮膚症状について概説した。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 381-390, 2020)

研究
  • 小野田 裕子, 矢上 晶子, 永井 晶代, 岩田 洋平, 鈴木 加余子, 松永 佳世子
    原稿種別: 研究
    2020 年3 巻3 号 p. 391-402
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     2015年の当科における化粧品による接触皮膚炎について, その原因製品, 原因成分の動向を明らかにすることを目的とした。2015年に当科を受診し, 化粧品による接触皮膚炎を疑った69例に対し, パッチテスト (以下PT) を施行した。PTは患者が持参した化粧品と, Japanese standard allergens 2008または2015および化粧品関連アレルゲンを貼付した。判定は72時間または1週間後にInternational Contact Dermatitis Research Group基準で+以上を陽性とした。69例中, 化粧品または関連アレルゲンのPTが陽性で臨床的に関連性があると考えられた症例は14例で, 原因製品は9製品であった。最も多い原因製品はヘアカラー剤であった。成分PTは, 持参したシャンプーに陽性反応を呈した1例に施行し, ヒノキチオールが原因アレルゲンと確定した。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 391-402, 2020)

  • 宮崎 生子, 平木 舞, 小山 樹里, 藤山 幹子
    原稿種別: 研究
    2020 年3 巻3 号 p. 403-412
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     医薬品副作用被害救済制度において「皮膚および皮下組織障害」とされた請求案件の中から, いまだ詳細な検討が行われていない多形紅斑型薬疹, 播種状紅斑丘疹型薬疹について, 2009年4月から2019年3月までの10年間に決定された2,227件のデータを用いて解析を行った。原因薬として共通して8つの医薬品 (アモキシシリン水和物, ラモトリギン, カルバマゼピン, セレコキシブ, ロキソプロフェンナトリウム水和物, クラリスロマイシン, アセトアミノフェン, カルボシステイン) が多く報告されていた。一方, 個別の薬疹の特徴としては, 多形紅斑型薬疹において, セレコキシブと, 「ランソプラゾール・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン」およびランソプラゾールの件数が播種状紅斑丘疹型薬疹より多い傾向にあった。これらの結果は, 日常診療における重篤な副作用発現の阻止に利用しうると考える。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 403-412, 2020)

  • 本多 皓, 大橋 威信, 栁堀 浩克, 山本 俊幸
    原稿種別: 研究
    2020 年3 巻3 号 p. 413-419
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     福島県立医科大学附属病院皮膚科において1995年以降の25年間に経験した肥満細胞症患者30例について, 後方視的検討を行った。小児発症例が27例 (90%) と大半を占め, 成人発症例は3例 (10%) のみであった。男女比は2 : 1で男性に多かった。全症例が皮膚肥満細胞症で, うち小児発症例においては斑状丘疹状肥満細胞症 (色素性蕁麻疹) 81%, 肥満細胞腫19%, 成人発症例は全例斑状丘疹状肥満細胞症であった。小児期に発症し15歳まで蕁麻疹発作が持続した1例で消化器症状を伴ったが, 腸管の組織学的検査は未施行であった。本症は成人発症例, 難治性の小児発症例, びまん性皮膚細胞症は他臓器病変を有するリスクが高い。このような症例においては組織学的検査を含めた全身検索を積極的に施行し, 他科と連携して慎重に経過観察する必要がある。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 413-419, 2020)

症例
  • 熊野 友華, 永井 晶代, 鈴木 加余子, 岡部 光邦, 杉浦 一充
    原稿種別: 症例
    2020 年3 巻3 号 p. 420-424
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     41歳男性。初診2ヵ月前に歯科治療後に蕁麻疹が生じたことがあった。初診当日, 歯髄炎の治療を受けた2時間後に蕁麻疹, 下痢, 血圧低下を生じ, ステロイド薬, 抗ヒスタミン薬, アドレナリン投与で軽快した。局所麻酔薬のみの歯科治療時には症状は生じておらず, 歯根管消毒薬を使用した時に蕁麻疹, アナフィラキシーショックを生じたこと, ホルマリン特異的IgE抗体が陽性であることから, 歯根管消毒薬内のホルムアルデヒドによるアナフィラキシーショックと診断した。ホルムアルデヒドによる即時型アレルギーはこれまでに報告されているが, 遅発性に生じることから原因として見逃される可能性がある。アナフィラキシー症例を経験した際には, 発症直前に摂取した食品・薬剤だけではなく, 数時間前にさかのぼった詳細な問診が重要である。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 420-424, 2020)

  • 野村 祐輝, 上津 直子, 岸本 泉, 神戸 直智, 岡本 祐之
    原稿種別: 症例
    2020 年3 巻3 号 p. 425-429
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     62歳, 女性。副鼻腔炎に対してモキシフロキサシン塩酸塩, カルボシステイン, トロキシピドを4日間, ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩を2日間内服した後, メキタジンに切り替え2日間内服した。その1ヵ月後にモキシフロキサシン塩酸塩, カルボシステイン, メキタジンを1回内服した約2時間後に, 顔面を除く全身に膨疹が出現した。オロパタジン塩酸塩を内服し, 3時間ほどで皮疹は消失した。薬疹を考え, 当科入院のうえ, 被疑薬 (モキシフロキサシン塩酸塩, カルボシステイン, トロキシピド, メキタジン) のプリックテスト, スクラッチテストを施行した。モキシフロキサシン塩酸塩のスクラッチテストを行った部位にのみ膨疹が出現し, 陽性であった。モキシフロキサシン塩酸塩による蕁麻疹型反応は初回内服時に生じることも知られているが, 本例では1度目の内服で感作が成立し, 1ヵ月後の再内服時に即時型反応を生じたと考えられた。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 425-429, 2020)

  • 花田 美穂, 中川 倫代, 濱端 明美, 天野 博雄
    原稿種別: 症例
    2020 年3 巻3 号 p. 430-435
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     62歳女性。尿道癌の化学療法のため泌尿器科に入院。1%クロルヘキシジングルコン酸塩 (CHG) で膀胱瘻を消毒中に呼吸苦, 両手のしびれ, 全身の膨疹, 顔面浮腫が出現しアナフィラキシーを生じた。通常は膀胱瘻に消毒剤は使用していなかったが, 臨時に入院した泌尿器科以外の病棟での発症であった。既往として, 市販のひび・あかぎれ用のCHG含有軟膏を手指に外用していた。0.02%, 1% CHGの成分別プリックテスト (PRT) , 1% CHGのスクラッチテスト (SRT) が陽性であり, CHGによるアナフィラキシーと診断した。CHGによるアナフィラキシーを予防するためには, CHGの使用部位と適応濃度を守ること, さらにCHGは多数の医薬品, 化粧品に含有されているため, これらへの不要な接触を避けるよう啓発することで感作を避けることが重要と考えた。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 430-435, 2020)

  • 濵岡 大, 大塚 晴彦, 山野 希, 井上 友介, 森山 達哉, 足立 厚子
    原稿種別: 症例
    2020 年3 巻3 号 p. 436-442
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     ソイ (大豆) プロテイン飲料を初回摂取後に, 顔面発赤腫脹, 鼻閉, 呼吸困難などのアナフィラキシー症状を呈した44歳男性を経験した。過去に豆乳摂取後に鼻閉の症状があり, 春季花粉症の自覚もあった。プリックテストではソイプロテイン飲料で3+, 主成分の脱脂大豆タンパクで2+をきたし, 血液検査でGly m 4特異的IgE (CAP-FEIA法) が12.0UA/mlであったため, アナフィラキシーの主要原因抗原はソイプロテイン飲料に含まれるBet v 1関連アレルゲンGly m 4と考えた。豆乳アレルギーの報告はわが国で数十例あるが, ソイプロテインが原因でのアレルギーは現在のところ少ない。しかし, ソイプロテイン含有食品の普及とともに, ソイプロテイン関連のアレルギー症例の増加が予想される。花粉症を有する患者ではシラカンバやハンノキ特異的IgEを調べ, 特にGly m 4陽性の場合はソイプロテイン含有食品の摂取に注意が必要である。製造者側も花粉症患者への注意喚起を行う必要があると考えた。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 436-442, 2020)

  • 花田 美穂, 中川 倫代, 濱端 明美, 三宅 裕志, 天野 博雄
    原稿種別: 症例
    2020 年3 巻3 号 p. 443-450
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     42歳男, 三陸の漁師。2014年エラコの巣に腕を接触し, 以降, エラコを扱うと顔, 上肢に掻痒を伴う皮疹が生じた。2015年, 2016年に, 全身の蕁麻疹, 嘔気, 呼吸苦, 意識レベル低下を伴う原因不明のアナフィラキシー (An) を生じ, 精査目的に当科を受診した。帰宅後, 納豆を自己判断で摂食し11時間後にAnが出現した。納豆によるAnを考え, プリックテスト (PRT) でポリγグルタミン酸 (PGA) 1, 10μg/ml, 1mg/ml, エラコ棲管のニンギョウヒドラ付着部, 納豆の粘稠成分で陽性であった。納豆による遅発性Anと診断した。エラコにはニンギョウヒドラというエダクダクラゲのポリプ世代が共生し, このポリプに刺されることで, クラゲPGAによる経皮感作が成立し遅発性納豆アレルギーを発症したと考えた。PGAは食品, 化粧品に含まれ, エラコ皮膚炎の既往のある人は, PGAによる遅発性Anを発症する危険性があるので注意が必要である。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 443-450, 2020)

  • 平井 由花, 武井 華子, 笠 ゆりな, 伊藤 雄太, 大歳 晋平, 中田 土起丈
    原稿種別: 症例
    2020 年3 巻3 号 p. 451-455
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     症例1 : 50代男性。1ヵ月前に下肢に掻痒感が出現したため液体ムヒ®S2aを外用, 2週間前には顔面, 頸部にも皮疹が拡大したため, ムヒアルファ®EXに変更したところ症状が増悪した。現症 : 顔面, 頸部に浮腫性紅斑と丘疹を認め, 四肢には丘疹が散在性に多発していた。パッチテストでムヒアルファ®EX (++) 。症例2 : 30代女性。6日前より肩こり, 背部痛に対してアンメルツ®ヨコヨコを外用していたところ, 皮疹が出現。現症 : 左側頸部および上背部に類円形の浮腫性紅斑が多発し, 脊椎両側では褐色の紅斑局面を認めた。パッチテストではアンメルツ®ヨコヨコ (++) 。症例1は接触皮膚炎症候群 (allergic contact dermatitis syndromeのstage 3A) と診断, 症例2は広範囲に皮疹を認めた接触皮膚炎と考えた。OTC薬は患者にとって簡便であるが, 記載が義務づけられている「症状の改善がみられない場合には服用を中止し, 医師, 歯科医師, または薬剤師に相談すること」の啓発が必要と考える。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 451-455, 2020)

  • 原田 晋, 森山 達哉, 太田 國隆
    原稿種別: 症例
    2020 年3 巻3 号 p. 456-463
    発行日: 2020/10/30
    公開日: 2020/11/24
    ジャーナル 認証あり

     20歳, 男性。2歳時より数回ピーナッツ摂取後にアナフィラキシー症状を発現。20歳時にブロッコリーのゴマ和え摂取後およびクルミ入り餅摂取後にアナフィラキシー症状をきたし, ピーナッツ, ゴマ, クルミの特異的IgEおよびプリックテストがすべて陽性であったため, ピーナッツ, ゴマ, クルミに対するアレルギーを併発していると診断した。ただし, ゴマの特異的IgEが陽性であるものの, ゴマの摂取は可能である患者は少なからず存在するとの報告が認められている。また, ピーナッツとクルミ, ピーナッツとゴマとの間の交差反応性を論じた海外論文が存在しているため, 自験例でも検討を行ったが, ピーナッツ, クルミ, ゴマ間の交差反応性を実証することはできなかった。ゴマの特異的IgE陽性が実際に臨床的意義を反映しているのか, ゴマとピーナッツやクルミとの間には交差反応性が存在しうるのか, に関しては今後の重要な検討課題であると思われる。

    (日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 456-463, 2020)

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