抄録
目的:CKD患者の意思決定支援の実態を明らかにし,CKD患者の意思決定支援を促進する看護実践の示唆を得ることが目的である.
方法:スコーピングレビューの手法を参考に,CINAHL,MEDLINE,医学中央雑誌を用いて1991年から2022年に出版された発表論文を対象とした.
結果:対象論文11論文について検討した.保存期慢性腎臓病患者に対する意思決定支援の実態として,【適切な内容とタイミングに配慮した情報提供】【時間をかけた継続的な支援】【患者同士の交流の機会をつくる支援】【専門的な知識をもつ看護師による支援】が見いだされた.
結論:看護師の意思決定支援について専門看護師の介入プログラムは有効であり,精神的なサポートに重点をおいた支援について評価されていた.意思決定支援において,患者は看護師に共感と長期的で時間をかけた支援を求めていることが示唆された.