論文ID: 202216005
目的:急性期病院看護師の患者の退院後の生活を見据えた看護実践に関する認識から,現状と課題を明らかにする.
方法:急性期病院看護師1,658名を対象に『退院後の生活を見据えた支援について感じていること』について自由記載で回答を求め,質的に分析した.
結果:回答を得た122名分を分析した結果,実践を困難にする【退院後の具体的な生活状況の予測の困難さ】【退院後の生活に向け短期間に多職種と連携することの困難さ】【急性期病院における労働環境に伴う実施の困難さ】【高齢化に関連する問題による実践の困難さ】【患者・家族・医療者間の退院に対する認識や理解を統一していくことの困難さ】【看護師自身の退院支援に関する知識や実践能力の不足】,実践を前向きに認識する【実践の実現には看護の力が必要不可欠】の7カテゴリが明らかとなった.
結論:看護師は支援の必要性は理解していても,思うように実践できない急性期病院の現状や個人の能力に困難さを感じていた.看護師間の連携を強め,困難さの要因をさらに検討することが課題である.