論文ID: 202317002
本研究では,インスリン使用高齢2型糖尿病透析患者の病いと共に生きる経験を記述することを目的とした.インスリンを使用しながら透析に通院している65歳以上の研究参加者5名に対して半構造化面接法を実施し,質的に分析した.インスリン使用高齢2型糖尿病透析患者の病いの経験は,【ショック・後悔・自然のなりゆきという糖尿病患者としての始まり】【難儀で重い糖尿病との暮らし】【一生続く糖尿病透析生活】【先が見えないがゆえに病気と大事に付き合う今】という4カテゴリーで説明され,【先が見えないがゆえに病気と大事に付き合う今】というカテゴリーは,人生の「統合」とでも言うべき境地に至る経験として理解された.看護師は,生活習慣病という偏ったイメージにとらわれず,ありのままの生活を理解し,支援する姿勢が重要であることが示唆された.