地域における将来の医療提供体制のあるべき姿を実現するために,医療資源の有効活用と医療の最適化を目指して医療機能の明確化と機能分化が進められている.病床機能報告制度では診療実態を表すデータとともに病床機能の報告を義務付け,医療機関の自主的な現状把握と将来構想を促している.本研究では自然言語処理分野で培われたトピックモデルを用いて,公表されている病床機能報告データを分析し,病床機能を特徴づける診療行為のパターンの抽出を試みた.その結果,医療機能を構成する機能単位をトピックとして抽出することができ,病床機能の定量的分析の可能性を示すことができた.2025年に向けて地域医療構想が進められている中,関係者の合意を形成し,建設的な議論を促すには客観的なデータに基づいた適切な分析が何より重要となる.本研究は,その分析手法の一翼を担うものと考える.