インテリジェンス・マネジメント
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論文
金融インテリジェンスの誕生と発展
9-11テロとグローバルな金融危機を触媒に
保井 俊之
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2009 年 1 巻 1 号 p. 23-34

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抄録

金融インテリジェンスは国家安全保障のために,金融に特化した組織により,金融の手法により要求・収集・分析され,金融のフォーマットで政策決定者に提供されるインテリジェンスと定義される。金融インテリジェンスは主として1990年代、マネーロンダリング対策のための法執行活動として出現した。そして2001年9月11日の米国における同時多発テロは金融インテリジェンスの活動分野を,非伝統的な脅威と戦う非対称な戦争の分野へと拡大した。さらに2005年から米国は北朝鮮及びイランを重大な安全保障上の脅威とみなすようになり,これらの国に金融インテリジェンスを活発に適用するようになった。2007年秋に発生したグローバルな金融危機により,米国のインテリジェンスコミュニティは金融サービス及び金融市場をインテリジェンス活動の主要な領域とみなすようになっている。

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© 2009 特定非営利活動法人 日本コンペティティブ・インテリジェンス学会
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