抄録
関節炎が先行した乾癬性関節炎に対してMTX, エタネルセプト併用療法が著効した1男性例を報告する。症例:IC 37歳、白人男性、主訴:非対称性多発性関節炎現病歴:2003年10月背部痛、2004年4月右第3DIP関節炎2_から_3ヶ月持続、8月右第2指PIP関節腫脹、9月右第1指IP、11月右第1_から_4指のPIP関節の腫脹と疼痛、さらに両側手首、両膝関節痛が出現し11月9日本院初診。CRP 0 mg、RA因子0 Uであった。12月メソトレキセート(MTX)8 mg少量間歇投与、時にNSAID,さらにプレドニン5 mgを服用し関節症状は軽快し始めた。2005年3月下旬MTX 10.5 mgさらに、5月下旬MTX 13mgに増量した。CRP, RA因子は陰性であるのにもかかわらず関節の腫脹が持続するので、関節エコーを依頼した。その後 頭部、左肘に掻痒性皮疹が出現した。6月胸部写真、さらに胸部CTで異常所見がなし。DAS28は4/CRP=4.37で6月13日第1回目のエタネルセプト25 mg施行した。劇的に効果を認めたが、その後MTXを併用しないこともあり、効果は少し落ちたが病状は安定した。関節エコーは右膝、右3PIPにごく軽度の血流シグナルを認めたが滑膜の肥厚は明らかではなかった。皮疹の組織学的検索はされていないが、乾癬が考えられた。総括:関節炎が先行したMTXとエタネルセプトの併用で寛解した乾癬性関節炎の1例を報告した。